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《 2018.11.2 》
= 社保審・介護給付費分科会 =

家族の会「混乱の方が大きい」 頻回訪問介護のケアプラン届け出制を批判


《 社保審・介護給付費分科会 31日 》

訪問介護の生活援助を多く位置づけたケアプランの届け出をケアマネジャーに義務付ける制度に対し、認知症の人と家族の会が批判を強めている。
 
10月31日の社会保障審議会・介護給付費分科会の会合。委員として参加している田部井康夫理事が、「本来の目的が達成されるケースより、要介護の高齢者が必要なサービスを奪われてしまうケースの方が多くなると考えている」と問題を提起。「根本的に見直す、やめて頂くのが妥当ではないか。各地の実情を詳しく把握し、より良い形を検討してもらいたい」と国に訴えた。
 
この制度は先月から新たにスタートしたもの。居宅介護支援の運営基準が見直され、生活援助の回数が「1ヵ月あたりの全国平均+2標準偏差」を上回るプランを作成したケアマネは、翌月の末日までに市町村へ届け出なければいけなくなった。目的は他職種が参加する地域ケア会議で取り上げること。自立支援・重度化防止や地域資源の有効活用といった観点から、他にもっと良いアプローチがないか検証していく − 。厚労省は趣旨をそう説明している。
 
ただし、事実上の“回数制限”として働いてしまうという懐疑的な意見が尽きない。事務的な負担や第3者のチェックの目を避けるため、届け出をしなくて済む頻度に留めておこうという意識が広がるのではないか、と懸念する声がある。地域ケア会議を開催する市町村も負担が重いため、届け出に至らないよう忖度するケースも生じるという指摘も出ている。
 
家族の会の田部井理事は会合で、「制度の趣旨を理解していても回数を減らしてしまう。忖度を誘発する制度だ」と指摘。「より良いケアマネジメントにつながることもあるだろうが、混乱の方が大きくなる」と再考を促した。これに対し日本介護支援専門員協会の小原秀和副会長は、「現場で何が起こっているかしっかり把握していきたい。利用者の生活が最も大事。課題が見つかればしっかり対応していく」と述べた。
 
家族の会は10月27日、支部代表者会議の「アピール」を公式サイトで発表。この中でも、「ケアプランの届け出制は早くも利用制限として機能しつつあり、明日からの利用者の生活に直ちに悪影響を及ぼす」と見直しを強く求めている。

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