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《 2018.11.16 》

社会福祉施設の労災死傷者、過去最悪を更新 50歳以上が6割弱 厚労省


高齢者や障害者らを受け入れる社会福祉施設で仕事中にケガなどをする労働災害に見舞われた職員が、昨年の1年間で8738人にのぼったことが厚生労働省のまとめでわかった。前年から457人(5.5%)増え、過去最悪を更新している。
 
平成29年の労働災害発生状況を公表
 
運送や建設、小売などを含む全業種の労災による死傷者は12万460人。2年連続の増加となったが、長期的にみると減少傾向が続いている。ピークだった1978年は約35万人。現在の3倍弱と非常に多かった。
 
一方、社会福祉施設での労災の死傷者は年々増加している。2007年は4338人。この10年で2倍以上に膨らんだ形で、厳しい実態が改めて浮き彫りになっている。
 
厚労省も手を打ってはいる。例えば腰痛。2013年に「予防対策指針」を改定し、負担が重い移乗介助ではリフトなどを積極的に使うよう指導している。このほか、専用の講習会を各地で開催するなど周知・啓発活動を展開中だ。ただ結果は十分に出ていない。
 
社会福祉施設の労災の原因をみると、利用者の移乗介助などに伴う「動作の反動・無理な動作(腰痛など)」が34.1%で最多。次いで33.1%の「転倒」が多く、この2つで全体の7割弱となっている。職員の年齢では50歳以上が57.5%。国がサービスの担い手として期待する中高年が6割弱を占めていた。
 
実際の労災案件では、
 
○ ベッドから車いすへの移乗を介助していたところ、入所者がバランスを崩して転倒しそうになったため、これを支えようとしたら体を痛めた
 
○ 入浴介助の後、浴室から出たところで足を滑らせて転倒した
 
○ 施設内で洗濯物を干していたところ、バランスを崩して脚立から転落した
 
といったケースが報告されていた。

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