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Report

《 2018.11.22 》
= 財政制度等審議会 =

介護施設の食費の軽減措置、要件厳格化を 財務省「在宅に補助はない。不公平」


財政健全化に向けて財務省が20日にまとめた政府への建議 − 。介護保険の費用を抑えるための具体策には、特養や老健といった介護施設の入所者の食費・居住費を軽減するための給付、いわゆる「補足給付」の見直しも含まれている。
 
平成31年度予算の編成等に関する建議
 
一定の預貯金などがある人を除外する保有資産の要件を厳格化し、受給者をさらに絞り込むべきだという。「有料老人ホームやサ高住で暮らしている人も含め、在宅の利用者に食費や居住費の補助はない。経済力のある入所者の負担を軽減するのは不公平」と問題を提起した。こうした意見は厚生労働省の審議会でも過去に出ており、来年から本格化する2021年度の制度改正をめぐる議論でも俎上に載りそうだ。
 
介護施設の補足給付は低所得者を支えるための措置。厚労省の介護保険事業状況報告によると、2016年度の時点で対象者は全国に119万人いる。給付費は3292億円。
 
実際に給付を認めるかどうかは主に所得で決まる。以前は個々の保有資産が全く勘案されていなかったが、所得が低くても相当の預貯金や有価証券などを持っている高齢者が少なくない実情を踏まえ、厚労省は2015年度にルールを変更。本人に預貯金などを申告してもらい、単身で1000万円以上、夫婦で2000万円以上ある場合は対象から外すことにした。
 
財務省はこのラインの引き下げを促している。単身で1000万円以上、夫婦で2000万円以上という今の基準は、高齢者の貯蓄額の中央値(*)を上回ると指摘。「経済力の有無を判断する基準として妥当か?」と疑問を投げかけている。
 
高齢者の貯蓄額の中央値
総務省の統計によると、65歳以上の単身の男性は920万円、単身の女性は830万円(全国消費実態調査)。65歳以上で2人以上の世帯の場合、1560万円(家計調査)となっている。
 
財務省はこのほか、多くの不動産を持つ高齢者も新たに対象外とするよう要請した。実務上の課題を解消する検討を進め、住宅や宅地などを適切に評価に組み込むべきと注文をつけている。厚労省は現在、一定額を超える宅地を所有している場合に資産として活用してもらうことなど、具体的な対応案を検討中だ。来年以降、審議会などで正式な提案に踏み切る可能性もある。

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